固定残業代・名ばかり管理職
「残業代は出ない契約」の有効性そのものを確認する
弁護士に依頼しなくても、このトラブルは自分の名前で進められます。 このページでは、まず何をすればいいか、どんな証拠を残しておくか、 話し合いから裁判所の手続きまでどう進むのかを、順番に説明します。
まず、自分でできること(3つ)
いきなり内容証明や裁判ではありません。多くの困りごとは、この段階で片づきます。
-
1消えやすい記録を早めに確保する
入退館記録・PCのログなどは、一定期間で消える・上書きされることがあります。
- 入退館記録・PCのログオン時刻、業務メールの送信時刻など、今アクセスできるものを保存する
-
2契約書・給与明細で固定残業代の記載を確認する
「何時間分か」が明示されているか、基本給と区別されているかで、有効性の判断が変わります。
- 雇用契約書・給与明細に、固定残業代の金額と時間数が明記されているか確認する
-
3会社に直接、未払い分について確認する
書面を送る前に、まず確認することで解決することもあります。
- 「固定残業代(管理職扱い)を超えた分の残業代が出ていません」と伝える
それでも解決しないときは
確認しても支払われない、契約の有効性に疑問が残るときは、ここからが出番です。請求書を一緒に作り、労基署への申告まで一緒に考えます。
解決までの流れ(5段階)
- 1 証拠を集める契約書・給与明細・実際の労働時間
- 2 有効性を確認する固定残業代・管理職扱いの要件
- 3 未払い額を計算する実際の残業時間との差額
- 4 請求する催告書を送る
- 5 手続きを選ぶ労基署・支払督促・少額訴訟
実際にどの段階まで進むかは相手の出方で変わります。1つ目で終わることも珍しくありません。
集めておきたい証拠(7点)
あとから集めるのは難しいものが多いので、思い立った日に手元にあるものを写真に撮っておくのが一番確実です。
- E1雇用契約書・労働条件通知書(固定残業代の金額・時間数の記載)
- E2給与明細(基本給と固定残業代部分が区別されているか)
- E3就業規則・賃金規程(固定残業代・管理職手当の定め)
- E4役職の実態がわかる資料(部下の有無、採用・人事権の有無、経営会議への参加状況)
- E5出退勤の裁量がわかる資料(タイムカードの有無、遅刻・早退の扱い)
- E6実際の労働時間の記録(タイムカード・PCログ・入退館記録)
- E7役職手当を含めた総支給額と、他の一般社員との待遇差がわかる資料
この件で使う書面
下の書面は、ミカタが聞き取った内容をもとに下書きを作ります。印刷して出すのはご本人です。
- 未払残業代支払請求書(固定残業代・管理監督者性を争う)固定残業代の無効、または管理監督者性の否定を理由に、未払いの割増賃金の支払いを求める書面。
- 少額訴訟の訴状60万円までのお金の請求を、原則1回の裁判の日で終わらせる手続き(少額訴訟)の申込み書類。
- 支払督促申立書裁判所に行かず、書類だけで相手に「払いなさい」と命じてもらう手続き(支払督促=しはらいとくそく)の申込み書類。金額の上限はありません。
- 訴状(通常訴訟)60万円をこえる請求や、相手が強く争いそうなときに使う、ふつうの裁判の申込み書類(訴状=そじょう)。
- 証拠説明書裁判所に出す証拠の一覧表。集めた証拠から自動で作ります。
- 期日の準備メモ(想定問答つき)裁判の当日に話すことと、聞かれそうな質問への答えをまとめたメモ。裁判所には出さず、手元で見る用です。
- 準備書面(反論)裁判が始まったあと、相手の言い分への反論や、自分の言い分の補足を裁判所に伝える書類(準備書面=じゅんびしょめん)。
- 相手から本当に取れるかチェックシート(回収の見込み)裁判に進む前に、相手に払う力があるか・どこから取れるかを整理するシート。勝っても取れない「やり損」を防ぐための手元用です。
よくある質問
固定残業代・名ばかり管理職の問題は、弁護士に頼まないと進められませんか?
いいえ。日本の民事の手続きは、本人が自分の名前で行えます。内容証明を送る、調停や訴訟を申し立てる、期日に出て話す——いずれも弁護士に依頼しなければできない決まりはありません。これを本人訴訟と呼びます。争いが複雑・高額なときは弁護士に依頼したほうが有利なことが多いので、途中から切り替えることもできます。
固定残業代・名ばかり管理職で、いちばん最初にやることは何ですか?
一般的には「消えやすい記録を早めに確保する」から始めます。入退館記録・PCのログなどは、一定期間で消える・上書きされることがあります。
固定残業代・名ばかり管理職を自分で進めると、いくらかかりますか?
自分で進めるときにかかるのは、原則として実費だけです。たとえばe内容証明が1,295円から、裁判所に納める収入印紙や郵便切手は請求する金額によって変わります。弁護士に最初から依頼すると、着手金と成功報酬が別にかかるのが一般的です。具体的な金額は手続きと事案によって変わるので、裁判所や日本郵便の公式ページで最新の額を確かめてください。
ミカタは何をしてくれるのですか?
状況を聞き取って、次にやること1つを示します。集めるべき証拠のチェックリストを作り、内容証明や申立書の下書きを用意し、期限が近づいたらお知らせします。ミカタは弁護士ではないので、個別の法的助言や、相手方との交渉の代行は行いません。相手に書面を送る・裁判所に出すのは、すべてご本人が行います。
固定残業代・名ばかり管理職を、今日から一歩進める
ミカタは、あなたの状況を聞き取って「次にやること1つ」を出します。 証拠のチェック、書面の下書き、期限のお知らせまで、最後まで並走します。 メールアドレスだけで始められて、無料プランがあります。
無料ではじめる